
“会社を辞める自由”さえ、
交渉しないと手に入らないなんて。
この一文に、いまの働き方の息苦しさがすべて詰まっている気がする。
「退職代行」という言葉が、ここ数年で一気に広がった。
- 「モームリ」
- 「言えないから代わりに言ってもらう」
そんな声がSNSで溢れている。
本来、“辞める”という行為は誰にでも許された自由のはず。
なのになぜかその自由すら、
自分では行使できない人が増えている。
退職代行を使うことは“逃げ”ではない。
むしろ「限界を超えた心を守るための最後の手段」だ。
上司の顔を見るのも怖くなり、
電話をかけようとするだけで涙が出る―
そんな状態なら今すぐ退職代行を使っていい。
何も言わず会社に行かなくなる人がいる中で、
きちんと「伝える」という形を選ぼうとしたあなたは偉い。
ただ一つだけ知っておいてほしいことがある。
“モームリ”のような退職代行を使うのは“もったいない”かもしれない。
なぜなら退職は「終わり」ではなく、
“自分の人生の再スタート”だから。
この記事では、
- 退職代行を使うメリットとデメリット
- “モームリを使うのが勿体ない理由”
これらを、心理学と現実の両面から丁寧に解説していく。
目次

第1章:退職代行が増えているのは「弱い人」が増えたから?
「退職代行を使うなんて、最近の若者は根性がない」
そんな言葉を耳にしたことはないだろうか?
けれど僕は思う。根性がないんじゃない。
“壊れないようにしているだけ”なんだ。
退職代行が急増している背景には、
個人の弱さではなく「働く構造の歪み」がある。
この章では、退職代行がなぜ広まったのか?
その社会的・心理的な理由を丁寧に見ていこう。

◾️退職代行は昔から存在する
実は退職代行という仕組みは、
“最近できた新サービス”ではない。
20年以上前から、
弁護士を通しての退職代行は存在していた。
- 当時は利用料金が高かった
- 依頼内容が法律相談を伴うケースに限られていた
これらの理由で「退職=弁護士案件」というイメージが強く、一般の人には縁遠いサービスだった。
しかし時代は変わった。
SNSの普及とともに“退職代行”という言葉は一気に広まり、「会社に退職の意思を自分で伝えられない人」の心の逃げ場として定着していった。

厚生労働省のデータによれば、
令和2年の1年間の退職者数はおよそ700万人。
(引用:厚生労働省 入職と離職の推移)
そのうち退職代行を利用する人はまだ1%未満だ。
とはいえ1%でも数万人規模─
決して小さな数字ではない。
退職代行サービス「モームリ」を運営する、
(株)アルバトロスの谷本代表はこう語っている。
「将来的には、退職代行業者が必要ない世の中にしたい」
つまり彼ら自身も、
「退職を言い出せない社会」に問題意識を持っているのだ。

◾️退職代行が急増している現代のリアル
Googleトレンドを見ても、
「退職代行」の検索ボリュームはここ数年で急上昇している。
特に2020年以降コロナ禍を機に働き方が変わり、“自分で退職の意思を伝えられない人”が急増した。
なぜこんなにも「辞める」と言えないのか?
答えはシンプルだ。
「職場が“言い出せない構造”になっている」からである。
- 上司との関係性が濃すぎて言いにくい。
- 同調圧力が強くて「裏切り者」と思われたくない。
- チームに迷惑をかけたくない。
気づけば“辞めたい”という本音すら押し殺してしまう。
つまり退職代行が流行っているのは、
「弱い人が増えた」からではなく「優しすぎる人が増えた」からだ。
だがそれは本当の優しさだろうか?

◾️退職代行は“逃げ”ではなく“自衛”である
心理学で「認知的不協和」という言葉がある。
人は、自分の信念と現実が矛盾した状態に長く耐えられない。
たとえば「モームリ」と思いながら、
「辞めたら迷惑かける」と自分に言い聞かせて働き続ける。
このギャップが続くとやがて心が壊れてしまう。
退職代行を使うことは“逃げ”ではなく“自衛”だ。
「心の限界を超えないための最後の自己防衛」である。

アニメ『呪術廻戦0』で乙骨憂太はこう言った。
「誰かに必要とされて、
生きてていいって自信が欲しいんだ。」
この言葉は働く僕たちの心にも深く刺さる。
働くとは「誰かに必要とされるため」でもあり、「自分が必要とする人と共に過ごすため」でもあるのだ。
退職とは、社会からただ逃げることではない。
「もうここでは笑えない」と感じた場所から離れ、“自分が笑える場所”を探すための行動である。

◾️まとめ:退職を選択することは守る力
退職代行を使う人を「弱い」と笑う人もいる。
でも本当に弱い人は─
何も言えずに壊れてしまう人だ。
退職代行を使うというのは、
「何も言わずに去る」のではなく、「ちゃんと伝える」ための手段。
それは会社に対して、
“誠実な別れ方”を選んでいる証でもある。
退職を選ぶことは、諦めではない。
それは「自分の心を守る力」だ。
ナマケ者流に言うなら、
逃げてもいい。ただ“自分の心”だけは置いていくな。
次章では、
「退職代行を使ってもいいけどもったいないよ?」
という話をしていく。

第2章:【モームリを使うのは勿体無い】その本当の理由
退職代行「モームリ」を検索している人の多くは、
- 「本当にモームリ」
- 「とにかく今すぐ辞めたい」
そんな風に思っているだろう。
でも、ちょっと待って。
“モームリを使うのは勿体無い”かもしれない。
これは、単なるお金の話ではなく、
“あなたの心の主導権”に関わる、大切なテーマだ。

◾️退職代行には3種類ある
退職代行と一口に言っても、
実はその中身は大きく3つに分かれている。
- 「民間業者による退職代行」
- 「労働組合による退職代行」
- 「弁護士による退職代行」

●民間退職代行(例:モームリなど)
→ 会社への“退職の意思”を伝えるだけの代行サービス。
法律上の交渉権がないため、
- 「未払い残業代」
- 「有給消化」
- 「損害賠償請求」
などには対応することができない。
これが「退職代行は無責任だ」と言われる理由だろう。
料金の相場は1〜5万円だとされる。

●労働組合による退職代行
→ 会社へ“退職の意思”を伝え、
退職条件の交渉ができる代行サービス。
法律上の交渉権がないため、
- パワハラ
- セクハラ
- 「損害賠償請求」
などには対応することができない。
料金の相場は2.5〜5万円だとされる。

●弁護士退職代行
→ 弁護士が直接、会社と法的な交渉を行う。
- パワハラ
- セクハラ
- 退職拒否
様々なトラブルにも対応可能。
費用は5〜10万円とやや高めだが、
「退職完了までの保証」が付きやすいのが特徴。
これらを混同している人が多く、
「約2万円で全て解決する」と思い込んでしまうケースが少なくない。
でも実際には“解決範囲”がまったく違うのだ。

◾️モームリがもったいない理由3選
なぜ「モームリを使うのは勿体無い」と言われるのだろうか?
その理由は、次の3つに整理できる。
① 平均2万円で“言伝え”だけ
モームリの料金相場は、
- 正社員:約2.2万円
- アルバイト:約1.2万円
確かに安くて魅力的だが、
実際にやることは「退職の意思を伝える」だけ。
会社からの反論や交渉には一切対応できない。
退職できなかった場合の返金保証はあるが、
「辞められない人認定」される危険あり。

② 法的トラブルには一切対応できない
- 「退職を認めない」
- 「給料を振り込まない」
こんなケースでは、モームリは“仲介”ができない。
これは法的にしょうがない事だ。
そのため弁護士に頼ることになり、
二重の費用と労力がかかることもある。

③ 退職が完了しないケースもある
- 「会社に連絡がつかず放置された」
- 「結局、自分で手続きした」
などの口コミも散見される。
“安さ”を優先した結果、
心の負担が長引いてしまうのだ。
つまりモームリが悪いのではなく、
「自分に合っていないのに使い方」がもったいないのだ。

◾️退職代行を使うデメリット
ここでもう少し深い話をしよう。
「退職を他人に伝えてもらう」という行為は、心理的にも大きな影響を与える。
アメリカの心理学者デシとライアンが提唱した「自己決定理論」では、
人間の幸福度は「自分で選択できている感覚(自己決定感)」によって高まる
とされている。
つまり“仕事を辞める”という人生の大きな選択を他人に任せると、後から「本当に自分の意思だったのか?」という迷いが残り自己肯定感が下がるリスクがあるのだ。

「会社を辞める自由」を他人に委ねてしまう。
それは人生のハンドルを手放してしまう行為でもある。
心が限界に追い込まれているときに、
「退職代行」を使うのは立派な自己防衛だ。
ただ“余力がある人”なら、
退職の意思を自分の言葉で伝える経験を持つことをおすすめする。
その経験は“心の筋力”を育てることにもつながるのだ。

◾️まとめ:退職代行は自立を奪う
退職代行を使うこと自体は、決して悪ではない。
- ブラック企業
- ハラスメント職場
そんな環境で苦しむ人にとっては、
命を守るためのツールになる。
ただし「モームリのような民間業者」を選ぶなら、“利用限界と利用範囲”を理解しておくことが大切だ。
退職代行を選ぶときは、
「費用の安さ」ではなく「自分の状況」で判断しよう。

退職代行自体は悪くないが、
- 金銭面
- 労力面
なにより“心の自立”を奪う可能性がある。
それが「もったいない」と言われる理由だろう。
何も伝えず出社しなくなるよりも、
退職代行を通じてでも“辞める意思”を伝えてもらう方が、会社としても助かる。
退職代行を使うかどうかは、
本当に今の自分に必要かどうかで判断してほしい。
「退職代行を使うのは、悪でも逃げでもない。
でも未来の自分の為には“自分の声”で辞める意思を伝えた方がいいかもしれない」
次章では、
「退職代行を使うべき人・使わないほうがいい人」を具体的に整理していく。
自分の状況に合った“正しい使い方”を見つけていこう。

第3章:退職代行を使うべき人・使わないほうがいい人
「モームリを使うのはもったいない可能性がある」
と前章で伝えた。
では実際にあなたの心と財布にとって、
退職代行という選択は本当に“賢い決断”なのだろうか?
この章では、あなたの現状の消耗度と抱える問題に応じて、
- 「退職代行を使うべき人」
- 「退職代行を使わないほうがいい人」
これらをナマケ者流のチェックリストで明確に分けていく。

◾️退職代行を使うべき人:命綱が必要な人
退職代行を使うべきなのは、
心が限界を超えつつある人だ。
「お金がもったいない」などと言っている場合ではない。
- 「安心」
- 「睡眠」
- 「健康」
これらが2〜3万円で買えるなら、
それは立派な投資になる。
|
状況 |
選択する代行業者 |
ナマケ者からの一言 |
|---|---|---|
|
1. 会社と一切の接触が精神的に無理 |
民間業者 or |
心の安全こそ最優先。 一刻も早く連絡を遮断し、まずは眠ることから始めましょう。 |
|
2. ハラスメントや未払い賃金がある |
弁護士 |
民間業者や労働組合は「交渉」ができません。 法的トラブルの可能性があるなら、最初から弁護士に。 |
|
3. 退職を拒否・引き止めされている |
弁護士 or |
それはブラック企業のサイン。 法的知識を持つ人に任せて、円満ではなく“確実な退職”を目指しましょう。 |
僕の弟は3番目のパターンだった。
退職届を受け取ってもらえず、
「待遇を改善するから」と先延ばしにされる始末。
最終的に彼は民間退職代行業者を使い、
2万円で退職を完了させたが、会社側が法的な知識が乏しかったのが救いだった。
「言ってくれれば俺が退職代行してあげたのに」
と思ったが、その2万円で弟の心が救われたのなら、それは十分価値のある出費だったのだろう。
退職代行は“心を守るための命綱”だ。
「誰かに助けを求める勇気」こそ、
壊れかけた自分を救う最初の一歩である。

◾️退職代行を使わないほうがいい人
- まだ「伝える力」が残っている人。
- 「長期的なリスク」を抱える可能性がある人。
こんな人は退職代行を使わないほうがいい。
|
状況 |
なぜ代行を避けるべきか? |
ナマケ者からの一言 |
|---|---|---|
|
1. 自分の言葉で伝える余力がある人 |
「自己決定感」という心の筋力を育てるため。 |
自分の口で「NO」を言えた経験は、次の職場で理不尽に耐えすぎないための最強の武器になります。 |
|
2. 転職活動で退職理由を整理したい人 |
主体的な経験が“キャリアの言語化”につながるため。 |
代行任せにすると「なぜ辞めたか」が曖昧に。自分で終結させた経験が、次の面接であなたを支えます。 |
|
3. 人間関係リセット癖が出ている人 |
根本の「対人ストレス耐性を育てる」チャンスを失うため。 |
“面倒だから”の退職は、また同じ問題を繰り返します。立ち止まり「どう別れるか」を学ぶことが成長です。 |
退職代行は確かに便利だ。
だがすべてを任せてしまうと、
「逃げ方」だけが上手くなってしまう。
自分で伝える勇気を出すことが、
これからの人生を軽くする経験値になる。

◾️退職を伝える勇気を育てる方法
「自分で退職を伝えるのが怖い」
その気持ちは痛いほどわかる。
でも、あなたが本当に怖いのは、
「伝えること」ではなく「伝えたあとの相手の反応」だろう。
ここで役立つのが、
アドラー心理学の「課題の分離」という考え方だ。
●あなたの課題 →
「辞めたい」という意思を伝えること
●相手の課題 →
それをどう受け取るか(怒る・引き止める・がっかりする)
この2つを分けて考えれば、怖さはぐっと減る。
あなたは自分の課題を果たすだけ。
上司の感情まで背負う必要はない。

退職を伝えた後の引き継ぎ期間を不安に感じるかもしれないが、仕事上だけの付き合いの人間はあと数日で全くの他人になる。
別に寄ってきても無視でいいし、
暴力・暴言などがあれば「警察沙汰にする」と伝えれば干渉してこないはずだ。
僕は最初の会社の引き継ぎ期間で、
どうでもよくなって無断欠勤もしていた。(真似はしないでほしい)
どうしても対面で言うのが怖ければ、
まず書面やメールで退職の意思を伝えてほしい。
法的にも有効で、証拠も残るから。

● 退職の意思を伝えるテンプレート
件名:退職のご相談
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
私事ではございますが、一身上の都合により〇月〇日をもって退職させていただきます。
引き継ぎに関しましては誠意をもって対応いたしますので、ご指示いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、対応よろしくお願いします。
この文面を送った時点で、あなたの課題は終了。
「退職届・願」は手書きでもメールでも問題ない。
あとは「相手の反応(相手の課題)」を待つだけ。

◾️まとめ:退職代行は「勇気の代行者」
-
退職代行は「心を守るための命綱」
-
ハラスメントや未払いは必ず弁護士へ
-
自分の言葉で「NO」を言う力は、人生を守るスキル
-
退職を伝えるのは“勇気の練習”
-
本当の勇気は“次の一歩”を踏み出す力
退職代行は、
「自分の代わりに勇気を出してくれる人」。
でも、最終的に大切なのは、
勇気を他人に丸投げしないことだ。

-
心が限界で倒れそう → 使うべき
-
法的トラブルに発展している → 弁護士を使うべき
-
少しでも余力がある → 自分の言葉で伝えてみる
退職代行をもったいないと思わず使うべきなのは、優しすぎて自分を押し殺してしまう人だ。
そんな人は無理して壊れる前に、
誰かに助けを求めて自己防衛をしてほしい。
でも、もし少しでも心に余白があるなら―
「辞める」という言葉を、自分の声で伝えよう。
その経験が、あなたの人生を更に自由にしてくれるはず。
次章では、
「辞めてもいい」と胸を張って言えるためのマインドセットを紹介していく。

第4章:【心理的バリア】で退職を恐れなくなるトレーニング
退職を恐れるのは「辞めること」が怖いのではなく、「誰かを失望させる自分」を恐れているからだろう。
この章では、心のブレーキをゆるめるための“心理的トレーニング”を紹介する。
少しずつあなたの心を、
「自由に動ける状態」に戻していこう。

◾️退職は"わがまま"じゃなく"自己尊重"
退職を「伝える」ことは、ただの業務連絡ではない。
それは「自分の人生を自分で選ぶ練習」だ。
アドラー心理学では、
「他者からの承認を求めすぎると幸福を失う」と言われている。
- 「上司に嫌われたくない」
- 「職場を困らせたくない」
そう思う気持ちが、あなたの人生を人質にしてしまうのだ。
その気持ちは、
「誰かの期待に合わせて生きている証」だ。
誰かをがっかりさせることは、悪いことじゃない。

僕が初めて退職を伝えたとき、
上司に言われた言葉は「人がいないからちょっと待って」だった。
それからズルズル引っ張られて...
半年しても引き継ぐ人間を連れて来ないから、
「もう今月いっぱいで辞めますよ?」と急かすとやっと人を連れてきた。
今考えてもあの半年は無駄だったと思う。
就職も退職も結局は自分の人生だ。
- 就職する理由
- 退職する理由
どちらも人に理解される必要はないし、
他人に自分の人生の時間を使ってあげる必要もない。
「相手の感情は相手のもの」
自分の人生とは関係ないと割り切る。
誰かの期待より、自分の思いを優先していい。
それは“わがまま”ではなく“自己尊重”だ。

◾️セルフ・コンパッションで自分に優しく
退職に“罪悪感”を感じる人が多くいる。
- 「迷惑をかけたかも」
- 「裏切ったかも」
そうやって自分を責めてしまう。
そんな人は「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」を取り入れてほしい。
セルフ・コンパッションとは、
「人間だもの、仕方ないよね」
と人に接するように自分を受け止める姿勢のこと。
たとえば友人が、
「限界で会社を辞めた」
と言ったら、あなたはどう答えるだろう?

きっと「よく頑張ったね」と声をかけるはず。
でも、自分自身には「逃げた」と言ってしまう。
他人と自分との対応の差を失くすことが、
罪悪感を緩和させる第一歩だ。
さらに罪悪感をやわらげたいなら、
退職をサンジのように“感謝の延長”として考えてみよう。
「オーナーゼフ!長い間...クソお世話になりました!」
そう思うだけで、罪悪感は“恩の気持ち”に変わる。
サンジがバラティエから離れて麦わらの一味に入った事を悪だと感じるだろうか?
セルフ・コンパッションとは、
自分と相手に“ありがとう”を言う練習でもあるのだ。

◾️退職は卒業だと考える
日本では終身雇用が当たり前だとされてきた。
だが現代では終身雇用制度が崩壊しつつある。
そんな中でより良い場所を求めるのは当然の事で、退職者を減らしたいのなら企業が努力するべきだ。
僕は退職を「卒業」だと考えている。
もう十分に学んだ。だから次のステージに進むだけ。
保育園→小学校→中学校...
僕達は義務教育の中でも、
出会いと別れを繰り返してきた。
それと同じだ。

受けた恩はちゃんと最後に返せばいい。
だからこそ退職代行を使うのはもったいないと僕は思う。
退職代行を使って卒業するのは、
人間としての成長のチャンスを自ら放棄する行動だからだ。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉の通り、
最後の責任はしっかり果たしてほしい。
その行動が人間としても成長させてくれるし、
きっと退職先の人達も、あなたの成長を応援してくれる。
「あれうちの会社の卒業生だよ」
なんて昔の同僚が話している未来が来るかもしれない。

◾️退職の意思は「断れない」ことを知る
退職を伝えるのが怖い理由のひとつに、
「拒否されたらどうしよう」という考えがある。
でも安心してほしい。
法律上、会社は退職を拒否できない。
民法第627条。
「期間の定めのない雇用契約の場合、従業員はいつでも解約(退職)の申し入れができ、申し入れから2週間を経過することで退職が成立する」
どんなに引き止められても、
あなたには“辞める権利”があるのだ。

ただ、円満退職や有休消化をしたいなら、会社の規定に沿うのも大切だ。
僕の場合は「2ヶ月前」には退職の意思を伝えるようにしている。
(引き継ぎや仕事の整理もあるので)
もちろん会社側がルールを守っていない場合は、こちらがルールを守ってあげる必要はない。
だけど成長の為の退職ならば、
相手への敬意は示してあげてほしい。
法律を知り、お互いルールを守る。
それが会社とのいい関係性ではないだろうか?

◾️まとめ:現代で転職は“普通のこと”
退職とは、“逃げ”ではなく“成長の為の卒業”だ。
終身雇用が崩壊しつつある現代で、
自分の居場所を探すために転職や退職は、キャリアを築く上で必要なことになった。
「あのときもっと早く辞めていれば...」
そう後悔しないために、
自分を大切にするという選択を、自信を持って選ぼう。
退職代行を使うことにも、
使わないことにもメリット・デメリットがある。
けれどどちらを選んでも、
大切なのは「自分の意思で決めたかどうか」だ。
あなたの人生を決めるのは、上司でも会社でもない。
“あなた自身”である。
次章(本文最終章)では、
退職後の不安を消し、自由に生き直すための具体的な戦略について解説する。

第5章:賢い退職術と生き直しのススメ
退職とは「終わり」ではなく、
「再スタート」の準備期間だ。
でも多くの人は、
“辞めること”よりも“辞めた後どう生きるか”の方が怖いという。
この章ではそんな不安を、
「自由の実感」に変えるための、ナマケ者流“生き直しのススメ”をお伝えしたい。

◾️転職先を見つけて退職する
日本にはなぜか、
「仕事=我慢」という固定観念が根深く残っている。
- 「嫌でも続けることが美徳」
- 「石の上にも三年」
でも、その“石”の上で心まで冷えてしまっては意味がない。
エーリッヒ・フロムは『自由からの逃走』で語った。
「人は自由を手に入れた瞬間、
その自由に耐えられず、再び不自由を求める」
“我慢の仕事”を続けることで、
自分を安心させている人が多いという事だ。
でも、それでいいだろうか?
「どこで働こうが同じだ」
そう思っている人は、同じ選択をしているのだろう。

2025年現在。
日本の法人企業数は約500万社ある。
きっと価値観の合う会社はどこかにあるはず。
不自由で心も体も冷め切る前に、
「もっと自分に合った場所」を探した方がいい。
転職エージェントを使えば、
あなたの価値観に合う会社を客観的に見つけられる。
そして次の居場所を見つけてから退職を伝えれば、円満退社の確率も上がる。
“退職”とは“より良く働くための選択”でもあるのだ。

◾️国の制度で退職後の不安を減らす
もし転職先を決めずに退職するとしても、
退職後に訪れる“空白”を恐れなくていい。
それは「何もない時間」ではなく、
「これからの自分をつくる時間」だからだ。
厚生労働省の調査によれば、
転職後に生活満足度が上がった人は全体の約6割にのぼるという。
空白のあとに“満たされる人生”を手に入れる人が多いのだ。

とはいえ、現実的な心配は“お金”だろう。
だからこそ、退職後の制度は知っておくべきだ。
-
傷病手当金(最大1年6ヶ月・休職中の生活補助)
-
失業保険(最長1年)
組み合わせれば最長2年6ヶ月の支援を受けられる。
細かい事はYouTubeチャンネル「リベラルアーツ大学」で学んでほしい。
焦って再就職すると、
同じような会社に再就職する可能性が上がる。
焦らず、整え、少しずつ動けばいい。
何もしないをする時間も人生には必要だ。

◾️銀時が教える退職に胸を張る姿勢
「俺は自分の肉体が滅ぶまで、
背筋のばして生きてくだけよっ!」
この言葉の“背筋”には、
「自分の人生を生きる誇り」が詰まっている。
他人の評価に怯えながら生きるより、
自分の信念で働く方がずっと健康的だ。
退職は“終わり”ではなく、
“より良い人生にする為のターニングポイント”である。
だから背筋伸ばして胸を張ろう。
退職代行を使わなくても、
堂々と「辞めるねっ」って上司に伝えればいい。
上司も気持ちよく「いいよっ」って返してくれるかもしれない。

◾️まとめ:退職は“等価交換”
退職は“逃げ”ではなく、
“頑張りすぎ”を手放して“自由”を手に入れるプロセスだ。
人は、失った分だけ何かを得る。
「安定した収入」を手放せば、
「自由な時間」を手に入れる。
そして社会には「ブラック企業」だけでなく、
「ブラック社員リスト」という不穏な動きもある。
- 退職代行の利用履歴
- 退職理由
などをデータ化して共有しようというものだ。
最後に適当な事をしてしまうと、
自分と価値観の合う会社に就職できない事態になりかねない。
だからこそ、退職代行の使用には慎重になってほしい。
感謝を持って辞め、誠実に去る。
それが、次の場所で気持ちよく働くための“賢い退職術”だ。
退職のたびに前より少し成長し、
自分にも他人にも優しい人間になってほしい。

あとがき:退職を恐れなくていい
「退職が当たり前な時代」に、僕たちは生きている。
それでもまだ多くの人が、
「退職=逃げ」とネガティブに考える。
でも、本当は違う。
退職は“終わり”ではなく、
“自分の新しい人生の始まり”だ。
モームリを使うのはもったいないと伝えたが、
状況によっては退職代行を使うことに賛成だ。
退職代行にはメリットもデメリットもある。
両方理解した上で自分に合う選択をしよう。
僕的にはできる限り退職の意思は自分で伝え、
法的に対処したい場合は弁護士監修の退職代行を選んでほしい。
なんでも人に頼りすぎない方が、
きっと未来のあなたの為になるから。
会社を辞める自由を恐れなくていい。
退職は、再スタートの合図。
その一歩を踏み出したあなたは、もうすでに前を向いている。
あなたの未来は笑顔が多い事を、
ナマケ者は今日もベッドから願っている。
「個人で1万円で退職代行したら儲かるかもね。
僕は成長の機会を奪いたくないからしないけど」
こんな記事もどうでしょう⬇️
※ナマケ者の声が流れるので注意してください。👆
ここまで読んでくれて、ほんとうにありがとう。
ナマケ者は、今日もゆるく息してます。
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きっと、今のあなたに寄り添う言葉があります。
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無理せず、のんびりいきましょう。ではまた。
ナマケ者のことちょっと気になったら⬇️