
〜なぜ“怒らないリーダー”が人を動かすのか?〜
※このブログ記事は[PR]を含んでいます。
リーダーと聞いて、
どんな人物像が思い浮かぶだろうか?
- 大声で指示を出し先頭に立って組織を引っ張る人。
- 誰よりも結果に厳しく部下に「喝」を入れる熱血漢。
- 完璧なロジックで周囲を圧倒するようなカリスマ。
そんな“強いリーダー像"に、
僕たちは長く縛られてきたのかもしれない。
だけど社会は確実に変わり始めている。
命令しても、怒鳴っても、心は動かない。
多様性が叫ばれる時代、
トップダウンだけではもう誰もついてこない。
では、どうすれば組織やチームの中で信頼と影響力を持てるのか?
そのヒントを意外な人物が教えてくれる。
『ONE PIECE』の赤髪のシャンクスである。
- 怒らない
- 命令もしない
- 無理に変えようとしない
なのに誰からも慕われ、信頼され、
彼の組織は世界を大きく動かしていく。
この記事ではシャンクスの“ゆるい強さ”を通して「理想のリーダーとは何か」を、心理学・哲学・現代の社会環境を交えながら考えていく。
この時代に必要な“強さ”とはなんなのか?
“ゆるさ”の中にあるリーダーの本質を、
シャンクスから探っていこう。
目次

第1章:強くなくていい?“慕われるリーダー”という選択
「リーダーは慕われないといけない」
そんな風に感じているあなたへ。
社会で生きていくうちにいつの間にか、
人間関係のストレスに摩耗している自分がいる。
- 職場で
- 家庭で
- 学校で...
そんな日々の中でふと思う。
「なんでこんなに気を使わないといけないんだろう?」

◾️時代とリーダー像の変化
昭和や平成の時代には、
ガキ大将というリーダーがいた。
周囲の子たちに比べて力が強く、
自分の意見を押し通す我が強かった。
「人間は声の大きな人間に従う」
これは「カリスマ性(Charisma)」
と言われるものが関係している。
カリスマ性とは?
人々を惹きつけ、影響を与える特別な魅力や能力。
カリスマ性のある人物には人々が自発的に従う傾向がある。

昔の社会のリーダーは、カリスマ性が重視されていた。
気に食わなければ暴力も善しとされ、
部下を力で押さえつけていた時代の話だ。
だが、現代ではどうだろう?
カリスマという言葉自体を聞かなくなり、
少し叱責すれば"パワハラ"だと言われる。
そんな社会の中で、
昔のリーダー像を押し通すのは難しいだろう。

◾️終身雇用の崩壊が離職率を上げる
昨今退職代行業者を使用しての退職が増えている。
「コミュニケーション能力の低下」
という問題はあるのだろう。
だが、ここでは退職の方法なんてどうでもいい。
「なぜ多くの人間が仕事を辞めるのか?」
という事が問題だ。
今までの時代は終身雇用が当たり前で、
会社にしがみついていれば"一生安泰"だった。
だが現代の日本では、
「終身雇用が崩壊する」という空気がある。
退職者が増加している背景の一つに、
一つの会社にしがみつくメリットが無くなったことが考えられる。

◾️関係性の悪化が離職率を上げる
そして離職者が増えるもう一つの原因に、
「人との付き合い方の変化」が考えられる。
「飲みニケーション」
という言葉が生まれるほど、
昔の会社では飲みの場で関係を築く事が重視されていた。
僕の経験上「飲みの場を通して同僚や上司との関係が深まり、それが働くモチベーションになる」という事も確かにあったように感じる。

だが現代ではどうだろう?
「会社の飲み会に参加したくない」
と言う人が7割以上という調査結果も出ている。
この結果を受けて、
飲みの席を設けない会社は確かに増えている。
だが飲み会の減少により、職場の人間関係の構築が難しくなり、結果的に離職率が上昇している事が考えられる。

◾️シャンクスという理想のリーダー像
では離職率を低下させる為には、
- 「この人についていきたい」
- 「この人の為になりたい」
そんな風に思わせる"リーダー"の存在が大切だ。
そこで漫画『ONE PIECE』の登場人物。
赤髪のシャンクスの登場である。

彼は無駄な争いはしない。
しかし大切なものは、命がけで守る。
- 味方にはいつも笑顔で接する。
- 大きな力を持ちながらもそれに驕らない。
- 味方を傷つける者は絶対に許さない。
こんな人物にならついて行きたいと感じないだろうか?
「そんな現実じゃない人物を例に挙げられても...」
そんな風に思うかもしれない。
だが彼の行動は現実に落とし込む事ができる。

◾️仏教から見るシャンクスの姿勢
「一切唯心造(いっさいゆいしんぞう)」
という仏教の思想がある。
一切唯心造とは?
「この世の現象や他者の存在は、すべて自分の心のあり方によって生み出されている」
という考え方。
例:機嫌悪そうにしていれば、相手も機嫌が悪くなる。
楽しいと思えば、相手も楽しい気持ちになる。
シャンクスは、普段ニコニコしている。
- 仲間たちと冗談を言い合い
- 酒を飲み交わし
- 自分に降りかかった不幸は笑い飛ばす
こういった行動は周りに伝染し、
周囲は楽しい気分になる。
リーダーという責任を負うと、
つい「強さ」を誇示したくなる。
でも本当は強さをひけらかすより、周囲と共に笑いあうシャンクスの姿勢の方が「この人に付いて行こう」と思ってもらえる。

第2章:シャンクスが「ゆるい」けど誰よりも“強い”理由
「シャンクスって、なんか“ゆるい”」
『ONE PIECE』を読んでいると、
多くの人がそう感じると思う。
- 笑って酒を飲み
- 部下とじゃれ合い
- 敵にすら余裕のある態度で接する
「四皇」と呼ばれる最強の海賊の一人だというのに、その佇まいはあまりに肩の力が抜けている。
だが彼はその“ゆるさ”の中に、
とてつもない強さを秘めている。
そしてそれは、
「怒鳴らずとも人を導くための哲学」でもある。

◾️自分の強さを知る人間の行動
シャンクスの言動は、
ひとつひとつを切り取るとバラバラに見える。
▲フーシャ村では、
ヒグマという山賊に酒をかけられても笑っていた。
▲マリンフォード頂上戦争では、
「この戦争を終わらせに来た!!!」
と堂々と構え、海賊も海軍も黙らせた。
この「ゆるさ」と「鋭さ」のギャップこそが、
彼の最大の武器である。
シャンクスは余計な争いを避け、
自分がバカにされようが笑い飛ばす。
その姿は一見弱い人間の行動に思えるが、
自分の強さを知っているからこそできる行動だ。

◾️人は振れ幅に魅了される
「怒るべき時をちゃんと選んでいる」
シャンクスの強さはここにある。
現代でも感情的なリーダーは多い。
- 状況に流されて判断を誤る
- 些細なことに腹を立てる
- イライラを部下にぶつける
だがそれでは、誰も本気で信頼してくれない。
何かあっても誰も助けようとせず、
離れて行ってしまうのも当然だろう。
シャンクスは怒るべきときを間違えず、
最低限の言葉しか発しない。
静かな眼差しだけで、場を制圧してしまう。
「怒るべき時」は本気で怒る。
普段のゆるさとの振れ幅が人を魅了し、
シャンクスを最強のリーダーたらしめる。

◾️「信じる」ことで信頼関係が生まれる
「海賊王になる」と言うルフィに、
シャンクスは大事な麦わら帽子を託した。
「この帽子をお前に預ける……
いつかきっと返しに来い。立派な海賊になってな」
これって、すごくないだろうか?
部下が何かをする時に、
「危ないからやめとけ!」と止めるリーダーは多い。
「大事な仕事は任せない」
と任せる事を恐れるリーダーもいる。
でも彼はルフィを信じて、送り出した。
その後ただ信じて“約束”が果たされるのを待っている。
これはただの優しさではないく、
“任せる強さ”であり“待つ余裕”である。
「信じてくれる人間の期待に応えたい」
と思うのは人間として当然の反応だろう。

◾️シャンクスの人を導く姿
シャンクスは適当に見えてちゃんと筋が通っている。
彼の部下たちはそんな彼を深く敬愛し、
「この人の為なら命を張れる」とまで思う。
それは「怒らないから」ではない。
心から信頼できる“強さ”があるからだ。
人を導くとは、
必要な時に必要な言葉を投げかけ、あとは信じて待つこと。
それを体現しているのがシャンクスという男である。

第3章:「ゆるさ」は人を活かす:仲間を信じる強さ
赤髪海賊団を見ていると思う。
「なんか…楽しそうだな」
宴を開けば大盛り上がりし、
仲が良くてまとまりがある。
そしていざという時は、
彼らは迷いなくシャンクスのもとに集まる。
この“ゆるいけど崩れない”集団には、
ちゃんと理由がある。
それはシャンクスが、
「人を信じて、無理に変えようとしない」からだ。

◾️強いまとまりを生む為の姿勢
多くのリーダーは思ってしまう。
「メンバーがバラバラなのは、
自分がちゃんとコントロールできていないからだ」
そして相手をコントロールする為に、
相手の事を変えようとしてしまう。
- ルールを作る
- 教育する
- 監視する
- 矯正する

でも、人は簡単に変わらず、
無理に変えられそうになると、反発する。
ところがシャンクスは変えようとせず、
相手の“そのまま”を受け入れる。
その姿勢が部下たちに伝わり「自分らしくいられる」という安心感が、結果として“強いまとまり”を生むのである。

◾️心理学が証明する「自分で選ぶ力」
心理学には、
「自己決定理論(Self-determination Theory)」
という考え方がある。
「人は自分の意思で行動していると感じられるときに、一番やる気が出る」
簡単に言うとそんな理論だ。
誰かに強制されるより「自分で選択した」と思う方が、モチベーションが高く、幸福感も持続する。

シャンクスのリーダーシップは、
まさにこれ。
彼は部下に命令せず、
怒鳴らないし、叱責もしない。
代わりに信じて、任せて、
“自分で考える余白”を与える。
この「任されている感」が、
部下たちに“自分の意思でここにいる”という確信を与えている。
その結果誰もがシャンクスのもとで、
「自分で選び、動く」ようになる。

◾️“支配しないリーダー”に人は自然と従う
社会心理学者のクルト・レヴィン、リピット、ホワイト。
彼らは1930年代にこんな研究を行なった。
子どもたちのグループを対象に、
3種類のリーダーシップスタイルを比較し、
- グループの雰囲気
- 生産性
- メンバーの行動
これらにどう影響するかを比較した。
グループ一覧:
1. autocratic leadership (専制型リーダーシップ)
- リーダーが一方的に決定し、指示を下す。
- メンバーの意見は聞かず、厳しく統制する。
2.democratic leadership (民主型リーダーシップ):
- リーダーが意思決定にメンバーの参加を促し、議論を重視する。
- メンバーに選択肢を与え、自由な雰囲気を作る。
3.laissez-faire leadership (放任型リーダーシップ):
- リーダーはほぼ介入せず、メンバーに任せる。

実験結果:
1.専制型リーダーシップ:
- 最初は生産性が高くなることがあったが、リーダーがいないと活動が停止した。
- メンバーの依存性が高まったり、不満や攻撃性が高まる傾向が見られた。
2.民主型リーダーシップのグループ:
- 生産性は専制型ほど速くは上がらかったが、長期的に安定した生産性を維持した。
- メンバーの満足度・協力性・創造性が高く、リーダーが不在でも自律的に活動を継続できた。
- メンバー間の信頼関係や絆が強く、グループのまとまりが持続した。
3.放任型リーダーシップのグループ:
- 生産性は最も低かった。
- 混乱が生じやすく、メンバーの不満も高まる傾向が見られた。

研究結果からわかること:
- 支配されるより、信じられた方が人は力を発揮する。
- 信じられることで『この人のために動こう』と思えるようになる。
赤髪海賊団はまさに、
民主型リーダーシップのグループに当てはまる。

◾️シャンクスの教育観がわかる言葉
シャンクスが、ルフィに向けた言葉がある。
「勝利も敗北も知り、逃げ回って涙を流して男は一人前になる。泣いたっていいんだ・・・!!乗り越えろ!!!」
これはシャンクスの“教育観”をそのまま表している。
失敗しても・泣いても・逃げてもいい。
「自分で越えて成長しろ」という考えだ。
他人の選択に介入し過ぎず、手を貸しすぎず、でも見捨てない。
その距離感が絶妙だ。
だからルフィも、部下たちも、
自分の意志で前に進もうとする。
リーダーがゆるいと仲間が“強くなる”。
それがシャンクス流の人の育て方だ。

◾️「変えようとしない」から人が変わる
「変えよう」とすると人は頑なになる。
「さて宿題しよう」と思ったタイミングで、
「宿題しなさい!」と言われてやる気がなくなった記憶はないだろうか?
これは1966年にアメリカの心理学者ジャック・ブレームが提唱した理論「心理的リアクタンス(Psychological Reactance)」と関係がある。
人は他人に強制されると反発したくなる心理を持っている。

でも「そのままでいい」と受け入れてくれる人の前では、不思議と「変わりたくなる」ことがある。
それはシャンクスの部下たちを見ればわかる。
彼らは自由で個性的だが、自分の意思で動き、
シャンクスのために命を張る覚悟を持っている。
この忠誠は“信じて・任せて・待つ”というスタンスが生んだ、自然な結果だろう。

◾️「ゆるさ」は最強のリーダーシップ
“ゆるい”とは、だらしないことじゃない。
相手を信じて、押しつけず、見守ること。
それには"相手を信じる覚悟”が必要だ。
怒鳴って支配しようとしないほうが、
人は“自分で育とう”とする。
シャンクスはそれを体現し、
赤髪海賊団はその在り方の価値を証明する。

第4章:怒らない・戦わない「無関与」という選択
シャンクスという男は、
「無駄に怒らず、不要な戦いはしない」
この“引きの姿勢”が、
実はとてつもなく強い哲学を宿している。

◾️今の自分にできる事に集中する
『ONE PIECE』の世界は、
人と人が激しくぶつかり合う戦いの舞台だ。
それでもシャンクスは、
世界を揺るがすような事件すべてには介入しない。
現代では誰かの問題に巻き込まれることが多い。
職場、家庭、SNS…
わざわざ自分から関わりに行って消耗する人も多い。

ここで思い出したいのがストア哲学の考え方だ。
「自分のコントロールできることだけに集中しなさい」
他人の感情や評価、社会の流れという、
自分では変えられない問題は山ほどある。
どうせ変えられない物に力を注がず、
今の自分にできることに集中する。
まさにシャンクスの姿勢そのものである。

◾️人を導く2つ目の哲学
シャンクスは戦いから逃げているのではなく、
「自分が動くべきか?」と常に冷静に判断している。
彼は白ひげに黒ひげを追うエースを止めるよう忠告した。
だがエースは追い続ける事を選択した。
最終的にエースは命を落とす事になる。
「助けに行けよ!」と言いたくなるが、
その選択をしたのはエース自身だ。
他人の選択にまで責任を背負うのは、
美徳のようで、ただの傲慢さだ。
忠告を受けたからにはどんな結末になろうと自分で責任を取るのが筋だろう。
その背中には「信じて任せる」だけでなく、
「責任は自分で取らせる」という2つの哲学が共存している。

◾️シャンクスは最先端のメンタルモデル
半端に強い人ほど戦おうとしがちだ。
でもシャンクスは「戦う必要があるとき」にしか、武器を取らない。
現代ではSNSで誰かにわざわざ攻撃しに行く人がいる。
だがその戦いに意味があるのか?
現代を生きる僕達は、
四六時中「つながり」に晒されている。
だが、そういう時代だからこそ、
“あえて関わらない勇気”が問われる。
それは無関心ではなく、
「自分に必要な物を選び取る」という能動的な選択だ。
オープンマリッジだ浮気だ不倫だ...
そんなこと本人達が勝手にやればいい。
シャンクスが見せる“無駄に戦わない姿勢”は、
現代における最先端のメンタル・モデルである。

◾️選択こそがリーダーに重要な力
- 怒らない。
- 戦わない。
- 無駄に関わらない。
これらは消極的な態度に見える。
だがシャンクスは判断基準を持っている。
変わらないものは変えようとせず、
忠告はするが責任は自分で負わせる。
「何を守るべきか」が決まれば、
「何に怒らないか」も自然と決まってくる。
その“静かな選択の強さ”こそが、
シャンクスが“リーダー”である事を確信させる。

第5章:「信じる」ことが最強の教育であり最強の導き
シャンクスは、ルフィにほとんど“何もしていない”。
剣術も戦闘も教えず、
旅に連れていくことさえしなかった。
ルフィの“海賊王になる”という夢を信じ、
今乗り越えられない壁にぶつかった時だけ手を貸した。
それがすべてだ。
信じることが最大の教育になると知っていたからだ。

◾️人は壁を乗り越えないと成長しない
「教育とは“何かを教え込むこと”だ」
リーダーとして人を引っ張る立場になると、つい思い込んでしまう。
でもシャンクスのスタンスは違う。
今のルフィには大き過ぎる壁以外の場面では手出しをしなかった。
ただ信じて見守っていただけ。
それは育てないという選択ではない。
人は自分の力で壁を乗り越えて成長する。
壁を乗り越える為に手助けをしていては、
人はいつまでも成長しないのである。
ルフィは自分でいくつも壁を乗り越え、
海賊王という大きな夢が手に届く所まで成長した。

◾️「期待が人を伸ばす」ピグマリオン効果
この現象には心理学的な裏づけがある。
行動心理学で有名な、
「人は他人からの期待に応えようとする傾向がある」という心理的メカニズムだ。
1960年代にアメリカの心理学者ローゼンタールとジャコブソンが行った実験がある。
研究者が教師に、
「この生徒達は将来有望だ」と伝える。
するとその教師に指導を受けた子どもたちは、
実際に成績を大きく伸ばす傾向が確認された。

なぜか?
「この生徒達は将来有望だ」
と信じる事により、教師の態度や声かけが変わったのだ。
そして生徒自身も「教師から期待されている」と感じることで、本来の力が引き出されていった。
シャンクスもまたルフィに向けて、
「お前ならきっとやれる」
という期待を、無言で投げ続けていた。
その信頼こそが、
ルフィの心に“自分を信じる芯”を作っていった。

◾️職場マネジメントへの応用
ピグマリオン効果は日常にも応用できる。
- 「君ならできる」
- 「任せたよ」
という言葉を部下や後輩にかけてみる。
最初から細かく指示したり、
心配して過干渉にならず“期待している姿勢”をにじませる。
それが信頼されているという安心感につながり、
結果として、主体性と責任感が育っていく。
シャンクスのリーダーシップは、
「信じて任せることの効用」を体現しているのだ。

◾️「信頼」とは“未来への倫理”である
哲学の世界でも、
「信頼」は特別なテーマとして語られてきた。
"人を目的そのものとして扱え”と説いた。
相手を「変えるべき対象」ではなく、
「信じるに足る存在」として尊重せよ
という倫理的態度を意味している。
シャンクスは夢を語るルフィを、
「まっすぐ信じる」ことに徹したんだ。

またアリストテレスは、
信頼を「友情の基盤」として捉えた。
友情とはただ好意を抱くことではなく、
相手の良さを信じ、その人の未来に希望を持つことだ。
信頼には「まだ起きていないこと」に、
目を向ける視点が求められる。
つまり信頼とは、未来に対する覚悟でもある。

◾️「信じてくれる人」の存在が人を変える
ルフィがなぜ強くなったのか?
なぜ「海賊王になる」と言い続けられたのか?
元々の性格もあるだろうが、
シャンクスとの約束が背中を押しているのだろう。
信じてもらえた経験がある人間は、
自分の価値を疑わなくなる。
それが信頼が育てる“人間力”だ。
だからこそシャンクスは手を貸さない。
信じることが、最大の教育である。

◾️「育てようとしない」から育つ
本当に人が育つのは、
信頼と自由の中に置かれたときだ。
それをシャンクスは、
誰よりも知っているのだろう。
赤髪海賊団の仲間たちもルフィも、
それぞれの個性を活かして、自分の力で伸びていく。
その陰には“信じて待つ”という姿勢があった。
無理に育てようとせず、
ただ、相手の可能性を信じ続けること。
今のレベルに合っていない壁にぶつかった時だけ助けてあげればいい。
それが最強の教育であり“最強の導き”なのだ。

第6章:シャンクスが教えてくれる「自分軸」の作り方
シャンクスという男は、誰よりも“ゆるい”。
それでいて、誰よりも“ブレない”。
大海賊時代
戦いや争いの中で彼は一切慌てることなく、
自分の歩幅で、世界の中心に立っていた。
それはつまり、
「他人の期待に流されず、自分の信じるものに忠実でいる」
という“自分軸”を持っていたからだ。

◾️「軸があるからゆるくいられる」
人は自分に自信がないと、
- 外からの声に左右される。
- 批判に過敏になる。
- 誰かの意見にすぐ揺れる。
- 評価を得るために無理をする。
でもシャンクスは違う。
誰に何を言われようと、
“自分がどうありたいか”を軸にして行動していた。
それが「ゆるさ」と「余裕」に見える所以だ。
本当にゆるくいられるのは、
自分の中に確かな“信念”を持っている人だけなんだ。

◾️どれだけゆるくても譲らないもの
シャンクスには、明確な判断基準がある。
「仲間を傷つけるやつは、絶対に許さない」
という信念。
キッドが仲間達を攻撃する未来を見たシャンクスは、その前にキッド海賊団を壊滅させた。
頂上戦争で、ギリギリまでルフィを成長を見守った。
「誰かの正義」に加担するのではなく、
「自分の軸」に従って戦争を終結させた。
“譲れない一線”が彼の行動すべてを支えている。
だからこそ、彼は決して迷わないし、ブレない。

◾️「自分軸」は“選び取る責任”でできている
シャンクスは「何が正しいか」ではなく“自分の価値観”をもとに選択し、すべて自分で決めて責任を取る覚悟もある。
自分の人生を自分で決めているということだ。
だから非難されても揺るがないし、
周囲に合わせて無駄なこともしない。
それが他人を巻き込む、
“重さのある言葉”に繋がっている。

◾️自己肯定感とリーダーシップの関係
現代社会では、
「自己肯定感を高めよう」とよく言われる。
自己肯定感とは、
「どんな自分であっても、そのまま引き受けられる」
という心の安定だ。
シャンクスには、
「完璧でなければいけない」という焦りがない。
失敗しても、戦わなくても、
“自分は自分だ”という信念がある。
だからこそ、
他人にも無理に変化や成長を求めない。
そしてその姿勢が...
仲間の個性を生かすリーダーシップへと繋がっていく。

◾️「世界のバランスを保つ男」
赤髪海賊団は、
無駄に支配を広げるような勢力ではない。
シャンクスは、
「世界の均衡を保つために動く存在」だと描かれている。
“時代”が大きく動こうとするとき、
彼は静かに現れ、バランスを調整するように言葉を放つ。
誰かを倒すために戦うのではなく、
「誰かの暴走を止める」ために動く。
それは“自分の役割”を知っている者にしかできないことだ。
つまりシャンクスは、
「自分に何ができるか」を理解したうえで、余計なことはしない。
これもまた、
“自分軸を持って生きる”ということの象徴なのだ。

◾️“信じられる自分”がいればいい
シャンクスは、何もかもが完璧な男ではない。
失った腕もある。
悪魔の実も勝手に食べられた。
でも彼は“信じられる自分”を武器に、
世界の海を渡っている。
それは「強さ」というより「在り方」の問題だ。
譲れない在り方があるから強くなれる。
強いからこそ信じられる。
そして信じきることで、他人に影響を与える。
それこそが、
シャンクスという男の“最強”の本質なのだ。
これは僕達にも言える。
自分の「在り方」を明確にし、
それを守る勇気を持っているか。
それが自分軸を持つということだ。
シャンクスはそれを、教えてくれている。
言葉ではなく、背中で。
それが最高のリーダーの背中だろう。

あとがき:「ゆるく強い」人間であるために
シャンクスというキャラクターは、
『ONE PIECE』の物語で登場回数は多くない。
だけど、その存在感は群を抜いている。
なぜか?
それは彼が「ただ強い」わけでも、
「ただかっこいい」わけでもないからだ。
どこかのんびりしていて、
よく笑い、酒を楽しみ、仲間を信じている。
一見すると“すきだらけ”に見えるが、
実は「譲れない信念」を持って生きている。
その“ゆるさ”と“強さ”の同居こそが、
シャンクスの最大の魅力である。
これからのリーダーに必要なのは、
- 人を信じ、任せられる力
- 何に関わり、何をスルーするかの選択眼
- 結果を急がず、成長を見守る余裕
- 自分軸を持ち、他人と比べずに生きる姿勢
そんな“ゆるくて静かに強いリーダー"なのだと思う。
つまりシャンクスのような存在である。
“正解”なんてない。
ただ「信じられる自分」をひとつだけ持ってほしい。
どんな些細なことでも、
それが“自分の軸”になり、人を導く力になる。
自分を信じて歩く姿が誰かを強く惹きつける。
それがリーダーシップの原点だ。
|
|
[PR]
「あなたが思う最高のリーダーはどんな人?」
シャンクスのような「ゆるくて信頼できる存在」が思い浮かぶなら、あなたはもう“リーダーの片鱗"を持っているのかもしれない。
この記事が、あなたの中の“シャンクス的な強さ”を呼び覚ますひとつのきっかけになれば、
これ以上の喜びはない。
読んでくださって、本当にありがとうございました。
あなたが自分も他人も信頼できますように。
「焦らなくていい。
動くべき時まで、どーん!と構えよ。」
こんな記事もどうでしょう⬇️
※ナマケ者の声が流れるので注意してください。👆
|
|
[PR]
ここまで読んでくれて、ほんとうにありがとう。
ナマケ者は、シャンクスを尊敬している今日もゆるく息してます。
☕ よろしければ、他の記事も読んでいってください。
きっと、今のあなたに寄り添う言葉があります。
気に入ってもらえたら、SNSや友達にそっとシェアしてもらえると嬉しいです。
今日も、よくがんばりました。ではまた。
ナマケ者のことちょっと気になったら⬇️
